第10章 夜明けの相模原討伐作戦
"そこを右に曲がって100メートル直進!恐らくそこに副隊長がいるかと!"
『ありがとう、小此木ちゃん!(お願い間に合って…)』
小此木ちゃんのアナウンスで宗四郎の元へと急いだ…
目の前の光景に一瞬息を呑んだ。
宗四郎を殴ろうとしている8号…否、日比野さんの姿が目に映ったのだから…
『はっ!宗四郎ッ!!』
「ッ!」
ドォン!!!
後方へと吹き飛ばされる宗四郎は一回転して地面へと着地した。
どうやら怪我はなさそうだ。
一瞬日比野さんと目が合った、なんとか彼も無事みたい…
宗四郎と距離が離れたその隙に日比野さんはその場から逃げ出すことに成功した。
「んっ…フゥ…(うわー、逃した)『宗四郎ッ!!!』うぉっ!エマ!?なんで此処におんね…ッ!ぎゅっ)すまん、心配かけたな」
『宗四郎…無事でよかった…』
私は思わず宗四郎に飛びついた。
最初こそ驚いていた宗四郎もすぐに私の背中に腕を回してくれた。
「エマ…顔見せてや」
肩に手を置かれ、少し距離を離されると顔を覗き込まれる。
少し恥ずかしくて見ないで…と伝えれば、そっと頬に触れられ視線を合わせられる。
「嫌や、どんな顔の君も見たいんや…好きや…エマ」
『ッ…私も宗四郎が好き…』
まるで磁石のように私たちは引き寄せられ…
「『んっ…ン…』」
唇が重なり合ったのであった。