第10章 夜明けの相模原討伐作戦
"こちら保科、地区フォックストロットにて怪獣8号とコンタクト"
『はっ!そんな…』
宗四郎からの報告に耳を疑った。
何故なら先ほど…
『市川くんと古橋くんと連絡がつかないのは本当です。私が絶対に二人を見つける、だから貴方は今できることをしてください!いいわね?万が一の場合は…逃げなさい』
"ッ!…はい…"
日比野さんであれば、仲間のためなら変身するだろう。
だから変身したとしても早く逃げろ、そう伝えたのに…
いくら怪獣だと言っても宗四郎が相手だとそう簡単には逃げ出せない。
彼は刀の達人(スペシャリスト)だ。
一歩間違えれば…死ぬ可能性だってある。
「うっ…白雪補佐官…せ、んぱいを…どうか…」
タンカーで運んでいた市川くんが目を覚ましたのだ。
弱い力で私の手を握りしめる彼、日比野さんの為に彼が強くなろうとしていたのを見てきた。
日比野さんに何かあればきっと、彼は…自分を責めてしまう。
なんとしても日比野さんを助けなくては…
『ッ!市川くん…分かった、よく頑張ったわね。大丈夫、日比野さんのことは私がなんとかする』
「ッあ、りがとう、ございま…すっ」
私は彼らの元へと急いだのであった。