第9章 騒がしい1日
「はぁ…」
「どうしたんですか?副隊長、先ほどまであんなに元気だったのに」
オペレーションルームで大きなため息を吐く保科に小此木は声をかけた。
「そりゃため息出るやろ〜、折角エマと付き合ってること公表できたのに結局は他の隊員たちとか他の部隊の人間には秘密にせなあかんねんから…前とほぼ変わらんやん!!」
「あー、まぁ仕方ないですよ。だってこんな状態になってしまったんですから…」
小此木は苦笑いをしながら周りを見渡した。
「ぁあ…やる気が出ない…」
「俺の女神が…」
「白雪補佐官…」
オペレーションルームにいる男性陣は皆やる気を失っていた。
理由は勿論、エマと保科が付き合っていると知ったからだ。
ミナと同等、エマも絶大な人気を誇っている隊員。
そんな彼女に憧れ、恋をしている者は多くいた。
その者たちが全員失恋したということなのだから仕方がないといえば仕方がないのだが…
「隊員全員がこんな状態になる訳にもいきませんからね…」
「せやねんけどさ…はぁ…」
新人たちが銭湯で話してた内容を保科は思い出したのであった…
「ミナもいいけど、やっぱ白雪補佐官もいいよなぁ!」
「おっさん気が合うな!俺、憧れは亜白隊長だけどよ、リアコは白雪補佐官なんだよな!」
「リアコ…?ってなんだ?」
「先輩、リアコっていうのはリアルに恋しているの略で、本気で恋愛感情を抱いているっていうことです」
「ってことは伊春、白雪補佐官のことが好きなのか?」
「うぇ!?//ま、まぁそうだな…バシャッ)ッ!おい!なにすんだよ!!」
「あ、悪い。わざとだ」
「んだよ!バシャッ)ッ!お前もかよ!神楽木!!!」
「…」
伊春がエマのことが好きだと告白したことにより周りにいた男子達は一切に伊春に攻撃を仕掛けたのであった。
攻撃を仕掛けた理由は…
「悪いけど、白雪補佐官を狙ってるのは伊春、お前だけじゃないんだ」
「チッ!出雲…」
そう、エマに好意を抱いているからだ。