第9章 騒がしい1日
ガチャッ
「すまないな、その…」
『また…ですよね…すみません、断ってください』
隊長の様子からみてまた"アノ人"からだろうと察した。
毎年、この時期になると必ず連絡が来るのだ。
気持ちは変わらないので、いつも断っているので例年通り断りを入れる。
「そうか、私もお前が第3部隊にいてくれた方が助かる」
『そう言って頂けると凄く嬉しいです』
「それにしてもなかなかアイツもしつこいな。3年も断ってるのにまだ第1部隊に戻って来いと…」
そう、毎年"アノ人"から第1部隊に戻って来いとお誘いを受けているのだ。
戻るつもりはない、宗四郎がいるっていうのもあるけど第3部隊が私は大好きだから…
それにしても毎年、毎年しつこいものだ。
隊長もこの呆れ顔…
『"鳴海隊長"はそういう人なんです。いつも隊長にご迷惑かけてしまいほんとにすみません』
「気にするな、別に迷惑なんかじゃない。なにより私がお前を引き抜いたんだ」
『隊長…ありがとうございます』
「それより保科とのことだが良かったな。私もアイツなら安心してお前を任せられる」
『ッ!はい、隊長本当にありがとうございます!』
隊長の言葉に胸が熱くなった。
こんなにも皆んなに祝福されるなんて思わなかったから。
あの時とは大違いだ…
「白雪、今日も1日頼むぞ」
『ッ!了っ!』
エマとミナの表情はとても柔らかかったそうだ。