第8章 素敵な休日
『宗四郎、ご機嫌だね』
「そりゃそうやん!こんなべっぴんさんとデートしてるんやから!ほんまよう似合ってるで…誰にも見せたないくらいや」
鼻歌を歌いながら車を運転する彼の言葉に私はホッとした。
(ワンピース買ってよかった…)
数ヶ月前のこと…
「これなんかどや?めっちゃ君に似合いそうやない!?」
『えっ?これ…?私に似合うかな?』
彼が手に持っている雑誌に写っているのは真っ白のワンピースだった。
こんな可愛らしい服持っていないし、自分に似合うか不安だった。
そんな私に宗四郎は…
「絶対似合うで!君はべっぴんさんやねんから!」
っと言ってくれたこともあり私はこっそりワンピースを買ったのだ。
そして今日のデートで着ていくことに….
でも…
『やっぱり私には可愛いすぎるかな…』
鏡に映るのは普段と少し違う自分。
宗四郎どう思うだろう…と不安になった。
やっぱり着替えようかなと思ったタイミングで…
「エマ〜?準備だけた・・・かっ?///」
『どうかな…?』
部屋に入ってきた宗四郎は分かりやすく固まった。
普段ニコニコしてる瞳は見開き、動かない彼…
不安になり名前を呼べば…
「めっちゃ可愛ええ!よう似合ってるで、僕のためにお洒落してくれたんか?」
宗四郎はにっこりと微笑み褒めてくれた。
少し照れ臭かったけど、彼が喜んでくれて嬉しかった。
「行こか、僕の可愛ええお姫様…」
差し伸べられる手に自身の手をそっと重ね合わせた…