第6章 出会い
「すまん。ほんまやな、白雪の言う通りや」
ついつい熱くなってしまい、彼にキツイ言葉をかけてしまった。
慌てて謝れば、彼はにっこりと笑いながら首を横に振り言葉を続けた。
「いいや、白雪のおかげで目ぇ覚めたわ。ありがとうな、僕刀で戦うわ…悪いねんけど今日ここで僕が自主練してたこと秘密にしてて?」
理由を聞けば照れくさそうに恥ずいねんと言う彼が可愛いと思った。
分かったと言えば…
「ッ!///負けへんで!白雪!」
そう言う彼の瞳は真っ直ぐだった。
あの時と変わらない瞳…
私も負けてられない!
彼よりも強く、そしてお父さんやお母さんよりも強くなるんだ…
『望むところよ』
それからトレーニングルームでよく彼と会うようになり、よく話すようにもなった。
そんなある日のことだった。
「なぁ、白雪はなんでそんなに強くなりたいん?もう十分強いやん」
彼からの質問に正直に答えるか迷った。
でも彼なら…と思い母と父のことを話した。
両親は元々幼馴染であり、恋人同士だったそうだ。
母が先に防衛隊に入隊し、二人は結婚、そして私が生まれたそうだ。
私が4歳の時に父も防衛隊に入隊したそうだ。
何故父が後から防衛隊に入隊したのかは分からない。
でも父は新人ながらもかなり優秀だったそうだ。
父の実力であればすぐに隊長クラスに上がれるほどだったそうで、周りも期待していたんだとか…
然し、あの日父と母は死んでしまった。