第6章 出会い
「ンん…」
隣で眠っている彼の頭を起こさないようにそっと撫でた。
ふと今日の会話を思い出した。
彼との出会いは新人時代…ではなくそれよりも前に一度出会っている。
両親の葬儀の時、私に声をかけてくれた男の子。
それが宗四郎だった。
彼の言葉で私は防衛隊に入る決意をしたのだ。
試験会場で彼を見かけた時、凄く嬉しかった。
でも自分から声をかけるのは恥ずかしくて出来なかった。
きっと私のことなんて憶えていないだろうし…
宗四郎は銃器の戦力が低いことを気にしてたけど、そんなこと気にしなくてもいいくらい彼は強かった。
周りの雰囲気をいつも明るくしてくれる彼は太陽のような人だった。
ある日たまたま彼が1人で射撃場に入っていくのを見た。
こっそりあとを追い、覗くと彼は1人で練習をしていた。
「はぁー、やっぱり大型やと上手くいかんな」
落ち込んでる彼を放っておけなくて、私は勇気を出して彼に声をかけた。