第6章 出会い
私の話を聞き固まる彼。
やっぱり重すぎた話だっただろうか…
恐る恐る彼の名前を呼べば、ハッとする彼。
でもすぐに表情が切り替わり、にっこりといつもの笑顔を私に向け…
「ほんならお互い頑張らんとな!」
『?』
「僕は刀で戦って、周りに刀でも戦えることを証明する!君は神崎隊長のように強くなる。そんで一緒に戦おや!」
『ッ!…うん、そうだね!』
てっきり慰められるとか同情されるのかと思ってた。
でも彼はそんなことは一言も言わなかった。
一緒に戦おう…その言葉が私にとっては凄く嬉しかった。
彼となら私はもっと強くなれる…そんな気がした。
それからは互いに切磋琢磨し合い、新人時代を送った。
そして数ヶ月が過ぎ…
私と彼は別々の部隊に配属された。
せっかく仲良くなれたのに…
少し寂しかったけど、別に永遠の別れじゃない。
それに彼とはまた逢える…そんな気がしてたのだ。
互いに強くなってまた逢おう、そう彼と約束して私たちは別れたのであった。
それから色々あった。
ツラくて苦しかったあの時、支えてくれたのが宗四郎だった。
彼には感謝しかない。
彼がいなければきっと今頃は防衛隊を辞めていたかもしれないのだから…
「ン、なんやエマ寝れんのか?」
『ごめん、起こしちゃった?…きゃっ』
彼に手を掴まれ、グイッと引き寄せられれば彼の腕の中にいた。
「なに考えてたんや?」
『私達が出会った日のこと』
"僕、防衛隊員になるねん。僕が怪獣やっつけたる!"
"ッ!…うん、ありがとう"
「あの時君に言うたこと、僕はずっと覚えとるで」
『ッ!ありがとう、宗四郎』
二人は互いに抱きしめ合い、そして共に眠りにつくのであった…