• テキストサイズ

キミの隣【保科宗四郎】

第1章 プロローグ


『ふぅ…こんなもんかな』

怪獣8号についての資料を自分なりにまとめて見たのだ。

やはり気になるのは…

"怪獣さんが助けてくれたの…"

『怪獣が人を助ける……か』

そんなのありえない、心優しき怪獣なんて存在しない。

怪獣は全て討伐するべきだ‥…

私の両親は17年前、怪獣に殺された。

両親は二人とも防衛隊員だった。

周りにはあまり言っていないが、母は第2部隊の隊長をしていた。
殉職した母の後を受け継いでくれたのが、現役長官である四ノ宮長官の妻、四ノ宮ヒカリさんだった。

ヒカリさんは私を娘のように可愛がってくれた。

周りのサポートもあったおかげで私は今ここにいるのだ。

でも、そんなヒカリさんも殉職したのだ。

私の大切な人たちは皆んな怪獣に奪われた。

許せない……。

でも何故か心の何処かではあの少女の言葉を信じたい自分もいる。

『ッ…さてと隊長に提出しに行こ』

余計なことを考えるのはやめて、気持ちを切り替える。

資料を提出したら、その次は明日の試験についての最終ミーティング、その後は隊員たちとの面談だ。

補佐官は隊長や副隊長の仕事とさほど変わりがない。

なにかと忙しく、1日があっという間なのだ。

今日は日勤だけど、恐らく帰りは22時はすぎるだろう。

『さて、もう一踏ん張りだ』

自分に喝を入れ、私は隊長室へ向かうのであった。

/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp