第6章 出会い
『それなら…剣術をもっと磨けばいい』
「はっ…?」
彼女の言葉に一瞬時が止まった。
初めて言われた言葉やった。
周りからは辞めろとしか言われなかったのに…
『小型や中型は大型に比べて動きが俊敏、それに接近戦が多い。君が有利じゃない』
彼女の言葉が嬉しい反面、やっぱりどっか悔しかった。
彼女はなんでもこなせる人やから、僕の気持ちなんか分からん…
ついつい、自分の気持ちを彼女にぶつけてしまった。
「そやけど、大型には勝ち目あらへんやん。君は銃器も扱えて剣術もできるからええやん!」
あーあ、言うてしもた。
彼女は僕を励ましてくれてんのに、なんで僕は素直にありがとうが言えんねんやろ。
せっかく高嶺の花と喋れたのに…
こりゃ完全に嫌われたわ。
そう思ったのに…
『大型を倒すだけが正義じゃない。君の考えは間違ってる!それに剣術をもっと磨けば大型だって倒せるかもしれないじゃない!どうして諦めてるの!?』
エマの言葉が胸に刺さった。
彼女の言う通りや、勝手にどっかで諦めてた自分がおったんや。
「すまん。ほんまやな、白雪の言う通りや」
『ご、ごめんなさい。偉そうなこと言って…』
僕が素直に謝ったからか、彼女も慌てて謝ってきた。
謝る必要なんてあらへんのに…
「いいや、白雪のおかげで目ぇ覚めたわ。ありがとうな、僕刀で戦うわ…悪いねんけど今日ここで僕が自主練してたこと秘密にしてて?」
『え?』
「なんか恥ずいねん!頼むわ!」
『ふふ、分かった。頑張ってね、保科くん』
「ッ!///負けへんで!白雪!」
『望むところよ』
ふっと笑った彼女は花のように可愛いらしかった。
多分、この笑顔で僕は彼女に惚れたんやと思う。