第4章 正体
『ン…』
スヤスヤと自身の腕の中で眠るお姫様にそっとキスを落とし抱きしめ、彼女の温もりを確かめた。
エマが重症やと聞いた時はほんまに心臓が止まるかと思うた。
いくつかの管に繋がれたエマを目の前にした時は、なんでもっと早く助けに行けやんかったんやろうかと後悔した。
エマのことや、専用武器がなくとも全開放してたら倒せてたはず、それをせんかったんは四ノ宮が近くにおったからや。
四ノ宮を巻き込む可能性をエマは考えたんやろう。
「もっと自分のこと大事にしてくれや…」
医療班からは数日で目覚めると言われたが、心配でたまらんかった。
彼女が目を覚ました時は、ほんまに安心した。
流石は医療班の力や。
翌日には退院できるほど回復したエマ。
そんな彼女は日々野カフカに会いにいった。
日比野カフカと市川レノの二人がエマと四ノ宮をシェルターへ運び込んでくれたんや。
エマは出血があまりに多く、あと数分遅ければほんまに危なかった。
その礼で彼らに会いにいったんやろう‥…
そう思うことにした。
演習場での出来事で僕の中ではなんとなく引っ掛かることがあった。
現場を見た時思ったことは3ヶ月前とよう似とったことや。
そして、怪獣たちが次々と蘇る中現れたフォルティチュード9.8の反応。
そしてその同時刻にバイタルが消失した人物それが…
"日比野カフカ"や。
スーツ適正の異常な低さといい、何か違和感がある。
兎に角僕は日比野を監視するつもりで奴を候補生として防衛隊は迎え入れようと思ってる。
エマが日比野の違和感に気付いてないと信じて…
この件はエマを巻き込むべきやない、そう感じたんや。
エマのことは僕が守る…
絶対に。