第4章 正体
「エマ、どうして欲しいんや?」
耳元でいつもより低めに、そして甘ったるい声で囁く彼にお腹の奥がきゅんとした。
キスした時からずっと躰は彼のモノを欲していた。
彼を見上げれば、赤紫色の綺麗な瞳が熱っぽく私を映していた。
彼の首に腕を回し…
『宗四郎…宗四郎が欲しい、欲しいのっ…きゃ!』
突然のお姫様抱っこにびっくりし、彼の首にしがみつく。
「立ちっぱなしはしんどいやろ?ベッド行こか」
寝室に着けばドサっとベッドに押し倒されて、私に跨る宗四郎。
バサっと服を脱ぐ捨てる彼をぼーっと眺めていた。
ほわんとした顔で比較的小柄な方の宗四郎だけど、脱げばしっかりと男だ。
そんな彼の躰に見惚れていると…
「そんな見やんでや、恥ずかしいわ」
『あっ、ごめん…ッちょっ!』
「ほら、ばんざーい!…ココ痛まんか?」
私のTシャツは彼の手によって呆気なく脱がされた。
そして彼が指差すのは私の腹部…先日負った傷だ。
傷口は大きめのガーゼで隠れているものの、痛々しい見た目だ。
『あっ、うん。大丈夫…あっン』
宗四郎はそっとガーゼ越しにその傷口にちゅっとキスを落とする。
「僕が間に合ってたらその怪獣木っ端微塵にしてたわ。僕のエマの躰に傷つけやがって…」
『あっ、ンんっ、そ、しろ…くすぐったい』
「消毒や、我慢しぃ」
何度も傷口にキスをしてくるのでくすぐったくてやめてと言うも、宗四郎なかなかやめてくれない。
漸く解放されたかと思いきや…
『ッあっン!ちょ、まっ…ンん!』
「ちゃーんと濡らさなあかんやろ?すぐ気持ちようなるから…」
私の太ももの間にいる宗四郎は、それだけを言うとしっとりと濡れているソコに舌を這わせたのであった。
舌と指で愛撫されれば、一気に絶頂へと近づく…
必死に我慢し、彼の名前を呼ぶ。
「なんや?」
『っん、イくならそ、しろとがいい…』
「ッ!…めっちゃ可愛ええこと言うてくれるやん。あかん、僕も限界や…」
彼の手がナイトテーブルへと伸びたのであった。