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キミの隣【保科宗四郎】

第4章 正体


慌てて病院を飛び出すと、一台の車が病院の前に止まっていた。

窓が開けば…

「もー、遅いやん!はよ帰るで!」

ぷくーっと頬を膨らませて怒ってますよアピールをする彼が可愛くて頬が自然と緩んだ。

『ごめんね、帰りにモンブラン買ってあげるから機嫌直して?』

「ほんまか!?ほんならはよ行くで!」

先ほどまで怒ってたはずなのにすぐにご機嫌になる彼はまるで子供だ。

そんな彼がとても愛おしく感じた。

『ふふ、はいはい』

私は彼の車に乗り込んだ。

本当は仕事だったのだが、隊長が今日1日は休めと言ってくれたのでお言葉に甘えてお休みを頂いた。

宗四郎は午後休を取ってくれたので、今日は二人でゆっくり過ごす予定だ。

運転席の彼はかなりご機嫌なようで鼻歌まで歌っている。

彼とこうやって過ごせる時間が幸せだ。

信号が赤になったタイミングで…

「ッ!エマ?どないしたんや?」

コテンと保科の肩に頭を置くエマ、これはエマが保科に甘えたい時の仕草だ。

勿論、保科も分かっている。

でも敢えて聞くのだ。

何故なら…

『宗四郎に甘えたくなったの。ダメ?』

こんなに可愛いおねだりをしてくるからだ。

チラッとこちらを見上げる彼女の仕草に付き合って3年も経つが未だに胸が高鳴る保科。

「あかん訳ないやん、やっぱモンブランいらん。君の事今すぐに食べたいわ」

エマの顎をそっと掴み唇にキスをすれば、頬を少し赤らめたエマと目が合う。

もう一度キスしようとしたその時…


ブッブーと後ろからクラクションを鳴らされる。

前を見れば青信号、慌ててアクセルを踏む保科。

そしてその様子をエマは微笑ましく眺めるのであった…



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