第1章 プロローグ
結局朝からしっかりと食べられてしまったものの、早起きしたおかげで朝ごはんもゆっくりと食べることもできて、遅刻することもなく無事職場に着くことができた。
然し…
『ぅうっ、やっぱり腰にくる』
昨日と合わせると計4回ヤッた訳なのでかなり腰に響く。
今日はどうか出動要請が出ませんように…。そう願うしかなかった。
「あっ、白雪補佐官!おはようございます!」
『小此木ちゃん、おはよう!』
「腰痛いんですか?腰痛に効く漢方とか用意しましょうか?」
小此木ちゃんは私が腰をさすっていたところを見ていたようで心配してくれた。
腰が痛い原因なんて言えるわけがない。
私は咄嗟に嘘をついた。
『へっ!?、いや、大丈夫!昨日、トレーニング頑張りすぎたから筋肉痛かな?はは〜っ』
「でも、無理は…」
「おはよーさん、どないしたん?」
「あっ、保科副隊長!おはようございます。実は白雪補佐官が腰を痛めてしまっているようで…なにかお力になれないかなと思いまして…」
「ほぅ、腰が痛いねぇ?」
ニヤリとコチラを見る彼の瞳は意地悪だ。
『おはようございます、問題ないです。小此木ちゃん、心配してくれてありがとう。もし酷くなったら漢方もらってもいいかな?』
「は、はい!勿論です!では、私はこれで!」
颯爽と走り去る彼女の背中を見送っていると…
「腰痛いんか?(小声)4回ヤったらそりゃ痛いか。すまんなぁ」
耳元で囁き、意地悪な笑を浮かべ私を見下ろす彼をギロリと睨む。
「そんな可愛い顔せんでや、また食べたくなるやん…イテッ!」
意地悪なことばかり言う彼にチョップをお見舞いしてやった。
『副隊長のデスクの上に受験生達の資料纏めて置いていますのでご確認を。私はこれで失礼しますっ!』
要件だけを伝え、私はさっさとその場から立ち去った。
「はぁ〜、怒ってても可愛ええってなんやねん…」