第4章 正体
「良かったですね、思ったより怪我が軽くて」
「また入院かよ…」
病室にはベッドに座るカフカとその隣では彼のために林檎を蒔くレノの姿があった。
カフカは複数箇所の骨折という大怪我ではあるものの、思った以上に頑丈だった…
「四ノ宮も白雪補佐官も命に別状はないようです。防衛隊の全科学力を持った甲斐あって治療中だとか…」
「何その差!!俺もそっちでおなしゃす!ッイテテ…」
「先輩のはただの骨折だから」
そしてカフカは物思いに耽る…
今回の試験で彼は大切なモノを思い出した。
「夢を追うってのは1番譲れない大事もので毎分、毎秒誰かに負け続けることなんだ」
「先輩…」
「けどそんなことどうでもよくなるくらい熱くなれるんだよな。それを思い出したんだ」
レノがカフカの背中を押したおかげで思い出すことができたのだ。
礼を伝えるカフカ、そして少し照れくさい顔をするも嬉しそうな表情を浮かべるレノ。
そして二人の前に現れた人物、それは…
「えっ!?亜白隊長!?隊長が何でここに…」
ミナの登場にレノは驚き、珍しくアワアワするのであった。
一方カフカは案外冷静だった。
「君たちが四ノ宮と白雪を運んでくれたらしいな。人命救助に感謝する、邪魔をした」
ミナはエマとキコルを運んでくれたことに対して礼を伝えに来たのであった。
それだけを伝え、ミナは部屋を出ていった。
カフカは彼女を呼び止めようとしたものの、やめた。
話しかけるのは隊員になってからだと…
そう心に決めたからだ。
そしてミナに向かって敬礼をするのであった。
コツコツ)
「「ん?…ぇえ!?///」」
ミナと入れ替わるように二人の元にやって来た人物に二人は驚きを隠すことができなかった。
その人物は…
『失礼します』
「「白雪補佐官!?///」」