第4章 正体
『えっ?四ノ宮さんがですか?』
「ああ、お前が意識を失ったと同時になんとか本獣を倒したそうだ」
「なんや白雪、なんか気になることあるんか?」
『いえ、なにも…』
私が目覚めたとの連絡で隊長もすぐに会いに来てくれたのだ。
そして私が意識を失ってからのことを教えてくれた訳なのだが、四ノ宮さんが本獣を倒したそうなのだ。
然し、あの怪我であのレベルの本獣を倒したということが信じられなかった。
勿論、彼女の実力は本物だ。
だけど何かが引っかかった…
"アンタ…怪獣なの?"
あの時の夢だ、もしかしたらあれは現実かもしれない…
日比野カフカが怪獣かもしれないのだ。
勿論確定ではない、だからこそ‥…
『隊長、日比野カフカは無事ですか?』
直接本人に確かめるべきだと思った。
「日比野カフカか?ああ、無事だ。複雑骨折をしている為入院はしているが」
彼の名前を出した途端、珍しく隊長は少し驚いた顔をした。
普段表情を崩さない彼女な為エマは少し違和感を覚えた。
「なんで日比野カフカが出てくるんや?」
当然の如く何故彼の名前が出たのかと突っ込む彼はほんの少し顔を歪めた。
『私が監視すると言っていたものの、結局彼が避難できたかなど確認できずにいたので。無事でよかったです』
それなりの理由を伝えれば、二人は成程と納得する顔をしたのであった。
兎に角、日比野さんに確認しなくては…