第3章 選抜試験
"本獣周辺に謎の超高エネルギー発生!!新手の怪獣の可能性あり!"
「新手?」
「映像は」
"爆発による通信障害で目視困難!…って何この数値…フォルティチュード9.8!?"
「アホな、衝撃で計測器がイカれたんやろ」
"で、ですよね"
「せやなかったら、そんなもん歴史に残る大怪獣やぞ」
そうは言ったものの、内心小此木ちゃんの言葉に心臓が一瞬止まりそうになった。
もしそんなもんがおって、エマが対峙してたら…
いくら彼女でも‥…
「保科、白雪と連絡つかないか?」
「ッはい…」
「ッ!急ぐぞ」
命を落とす可能性があるからや…
神様、仏様、どうかエマを…
まだ彼女を連れて逝かんでくれ!!!
僕の願いが叶ったのか、それからほどなくして小此木ちゃんから無線が入った。
"白雪補佐官、四ノ宮キコル意識不明の重症ではあるものの生存確認!"
こうして選抜試験はなんとか終わりを告げたのであった。