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キミの隣【保科宗四郎】

第3章 選抜試験


『私が本獣を相手する、その間に逃げない。いいわね?焦らずに、余獣には気をつけて』

「っはい!」

素直に頷いた彼女を逃し、私は本獣の相手をしていた。

なかなか手強い、やはり専用武器でないと威力が足りない。

まさかこんなことになるとは予想していなかったので専用武器は置いて来ている。

戦力を全開放するにも、近くには負傷している四ノ宮さんがいる。

危険だ。

ならば、彼らが来るまで足止めをするしかない。

その時だった…

ドサッ!

『ッ!!四ノ宮!!!』

「うっ…ハッ!」

四ノ宮さんが転んでしまったのだ、無理もない。

彼女の躰は限界に近いのだから、本獣はまるで弱っている者を狙うかのように彼女に攻撃を仕掛けたのだった。

私が攻撃するよりも先に彼女にヤツの攻撃が当たる…

間に合わない!!


グサッ、グサッ、グシャッ

「ッ!!白雪補佐官!!!!!」

『ぐはっ…ぅうっ…』

私は咄嗟に彼女の盾になった。

あまりの痛みに声を上げることすら出来ない…

シールドを張り、急所は免れたものの出血が止まらない。

ぼたぼたと足元に落ちるのは自身の血、そして全身の力が抜けその場に崩れ落ちた。

体温が少しずつ失われていくのが分かる、まずい。

彼女だけでも逃さなくては…

なんとか力を振り絞って、涙を流し私の名前を何度も呼ぶ彼女に逃げなさいと伝え私は意識を失った…


"本獣の切除していた攻撃的ユニ器官が再生!エネルギーが圧縮されています!"

あかん、間に合うか…

「白雪!応答しろ!!」

エマからの応答も5分前から全くない。

嫌な予感しかない、頼む、無事でいてくれ!!!



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