第23章 嫉妬した彼にはご注意を…《番外編》
『綺麗…』
「せやろ!小此木ちゃんに教えてもろてん!」
2人で立川の夜景を眺めていた。
此処は小此木ちゃんのおすすめ穴場デートスポットらしい。
『ッ!宗四郎?』
ふと肩に何かが乗っかった。
視線を肩に移すと宗四郎のジャケットがかかっていたのだった。
「ちょっと肌寒いやろ?」
『大丈夫よ!宗四郎が風邪ひいちゃ…ッ!//』
山ってこともあり多少肌寒さもあった。
気持ちは嬉しいけどこれでは宗四郎が風邪を引いてしまう。
そう思ってジャケットを返そうとしたのだけど…
「これやったら僕も寒くない。君が僕の湯たんぽや!」
そう言って私の肩を抱く手にぎゅっと力を入れる宗四郎…
こんな外で…っとは思ったけど、周りには人は居ない。
それに最近お互い忙しくてなかなかゆっくり過ごせなかったこともあったからだろうか…
「ッ!…今日は甘えん坊さんやな」
私は宗四郎の肩に頭を乗せた。
そんな私の頭に優しくキスを落とす宗四郎の表情はどことなく嬉しそうだ…
『だって最近こうして過ごせなかったんだもん…』
「ほんまやな…来月くらい休み合わせてどっか温泉でも行こか」
『うん、行きたい…』
「ほな決まりやな!」
ニカッと歯を出して笑う宗四郎の笑顔は夜景よりも綺麗だ…