第21章 みんなの知らない彼の顔《番外編》
「先輩!?…これは一体…」
部屋に戻るなり、カフカの様子がおかしいことに気付いたレノ。
そしてカフカの周りに散らばるものになんとなく察しがついたのであった…
「も、もう無理だぁー、こんなにケーキ食ったの生まれて初めてだ…zzzz」
そう、カフカの周りに散らばっているのはケーキのフィルムや、箱、そして…伊丹副長官の顔だった。
保科の条件とは昨日のケーキ屋さんで余りまくっていた伊丹副長官のケーキを全部食べろとのことだったのだ。
「ちょ、先輩っ!…って寝てるし…」
カフカの大きなイビキが部屋に響き渡る中、レノは部屋の掃除を静かに始めた。
「ん?まさか副隊長はこれを狙って?」
掃除をしながらレノは保科がカフカに何故ケーキを食べさせたのか気付いたのだ。
理由はカフカを眠らせる為だ。
最近夜中までカフカが勉強をしていたことをレノは知っている。
そのことで保科に怒られたこともカフカから聞いていた。
眠っているカフカの枕元にそっとあるモノをレノは置いた…
「副隊長には敵いませんね…」
「市川、これカフカに渡しといてくれ!」
「えっ?胃薬…ですか?」
「そのうち必要になると思うからな!」
ケーキの食べ過ぎで胃もたれすることまで読んでいた保科なのであった。