第20章 保科の休日《番外編》
『それで市川くんの言ってた休み下手ってなんなの?』
「秘密や!」
『ケチ…』
無事任務も終わり、報告書作成のために基地へ戻ってきた保科とエマ。
先ほどの保科とレノの会話が気になったエマは何の話のことかと聞くも一向に教えてくれない保科。
ぷくーっと頬を膨らませるエマに保科は笑いながら頭をポンポンと撫でて…
「君がおらん休日は楽しないってことや!」
『すぐ誤魔化すんだから…///』
そう言いながらも嬉しそうな表情をするエマ
「それより!手に入ったで!一緒に飲もや!」
ジャジャーンと効果音と共にエマの目の前に置かれたのは北海道の牛乳珈琲とデカデカと書かれた瓶…
そう、保科の1番の目当てはこれだったのだ。
『私も貰ってもいいの?』
「当たり前やん、君と飲むために買ってきたんや」
ほれっと言って珈琲牛乳を入れたグラスをエマに渡す保科…
『いただきます…ッ!美味しい…』
「やっぱ美味いな!」
美味しそうに珈琲牛乳を飲むエマを保科は嬉しそうに眺めていた。
実は保科が休日にも関わらずスーツを身につけているのには理由がある。
勿論、休み下手であるのに違いないがエマを悲しませない為でもあるのだ。
エマの両親は休日の際に、怪獣の襲撃に巻き込まれたのだ。
休日の為、当たり前だがスーツなどもない状態で二人は怪獣と戦い、殉職した。
そんなこともあり、保科は1人の休日は万が一に備えてスーツを身に付けているのだ。
エマを愛しているからこそ、悲しませない為に…
『宗四郎…』
「ん?どないしたん?」
保科の肩にコテンと頭を置くエマ…
『せっかく早上がり出来たのに結局二人で過ごせなかったから…』
珍しく基地内で甘えてくるエマに保科は頬が緩んだ。
「ほな、今から帰ろか…」
『ッうん…///』
保科の言葉にエマは頬を赤めて、小さく頷き二人はそそくさと基地を後にした…
"今日は朝まで寝かさへんけどかまへん?"