第20章 保科の休日《番外編》
「白雪、相変わらずの人気ぶりだな」
『お久しぶりです。ふふ、嬉しい限りです』
「親御さんもきっと喜んでいるだろうな…」
『ッ!だといいんですがね…二人はどんな感じだったんですか?防衛隊にいた時…』
なんとなく気になっていたことだった。
自分の知っている両親はあくまでも家にいる時の両親で、防衛隊にいた時の顔はどんななのか知らないからだ。
「母親は頼りになる隊長だった。部下たちにもいつも優しく接していた。まぁ怒ると怖いが…父親はムードメーカーな奴だな。アイツはどんな時もその場を明るく和ませてくれてたな」
『お母さんは想像つくけど、お父さんってムードメーカーだったんだ…』
父の意外な顔に驚くも、家でもいつも私を笑わせてくれていたことを思い出した。
「あとは2人とも絶対に諦めない人間だったな…」
『絶対に諦めない…』
「どんな困難にも立ち向かっていたな…あの日も2人が諦めなかったからこその結果だ。2人は防衛隊の誇りだ…」
『私も…諦めません、父や母を超えれるように精進します』
「ああ、頼むぞ」
初めて知る防衛隊での2人…
どこか自分と宗四郎に似てる気がして少し嬉しくなった。
改めて私は両親を超えたいと思った。
「しかしまぁ、盛況でなによりですわ。これで防衛隊の仕事知ってもらえて僕らもお得やし…未来の隊員がこの中から生まれるかもですからね…なーに話してんの?」
『ちょっ…///』
宗四郎の手が私の肩に回り、ガッチリとホールドされる。
慌てて周りに目をやるも、皆んな子供達相手に忙しいようでこちらは見ていないようだ。
「ああ、だが最も理想とすべきは…彼らが大人になる頃防衛隊が必要でなくなっていることなのだろうな…」
「ええ、その未来のため貴方の後輩一同は戦っています」
「それはそうと…小声)お前たち結婚はまだなのか?」