第20章 保科の休日《番外編》
「「わぁ!!白雪さんだー!!」」
「ちょっ!?君たちー!?」
『ふふ、皆んな順番ね?』
エマの存在に気づいた子供たちは全員彼女の元へと集まった。
そしてエマの手を握ったり、足にしがみついたり、抱っこをせがんだりとする子供たち…
あかん、子供でも嫉妬するわ。
「僕大きくなったら白雪さんと結婚したーい!」
「「えー!僕も!」」
「あかん!!それはあかん…あっ…」
僕の言葉にジトっとした視線を向けるエマ、せやけどすぐに子供達に視線を移し、ゆっくりと話し始めた。
『嬉しい、ありがとうね。でも僕が大きくなった頃にはお姉さんはおばさんになっちゃう。その頃にはお姉さんよりももっと素敵な人が沢山いると思うよ?』
「ほんとに?」
『ほんとに!』
エマの言葉に納得した子供達はそれぞれに館内を回り始めた。
周りの様子を伺い、僕の隣に来たエマは小声で話しかけてきた。
『子供相手でしょ、妬かないでよ』
「子供かて男や」
『困った副隊長さん…』
「副隊長さんの前に彼氏やし…」
クスクス笑うエマが可愛いてしゃーなかった。
子供やって笑われてもかまへん。
それくらい僕はエマを愛しとるんや!
「う、羨まし過ぎんだろー!!!」
「伊春くん相手はまだ子供ですよ!落ち着いて!」
「ほんと男子って馬鹿だわ!(でも、ちょっと羨ましい…)」
エマは子供達に呼ばれ行ってしもた。
ってかなんでエマがここにおるんや!?
その答えはすぐに分かる…
〜♪
「ん?亜白隊長からやん…ッ!あの人は流石やな…」
保科のスマホの画面には…
"今日は基地内も落ち着いているから白雪は早上がりさせた。久しぶりに二人で楽しめ"
なんとミナはスルメのお礼にエマを早上がりさせてくれたのだ。
流石の上官…感謝する一方、視線をエマに移せば彼女は未だに子供たちに囲まれている。
二人で楽しみたいとこやけどなぁ…
せやけど…
「まぁええか…」
子供たちと楽しそうにしてるし…
絶対良い母ちゃんになるわ…
そんなことを考える保科の口角は自然と上がるのであった。