第17章 終わりの始まり
「先輩っ!戻ってくるって信じてますから!!」
『ッ!市川くん…』
日比野さんが有明りんかい基地へと移送される。
隊員たちは皆、外へと整列させられ日比野さんを見送ることになっていた。
隊長からはくれぐれも大人しくしとくようにとあれほど言われていたのに…
だけど市川くんの言葉はきっと日比野さんの力になるはすだ。
走り行く車を眺めるしか出来ない自分が情けない。
その時だった…
「(アホが…)第3部隊敬礼!」
『ッ!』
宗四郎の言葉にこの場に立つ第3部隊の隊員たちは皆敬礼をした。
「保科副隊長どういうつもりだ」
「上官の亜白隊長に対してです」
宗四郎はああ言ったけど、心の中では皆…
日比野さんに敬礼していたに違いない。
「そうだな。怪獣に敬礼などあってはならんことだ」
『ッ…』
彼は怪獣じゃない人間だ。
"先輩!戻ってくるって信じてますから!!"
市川くんも、ここにいる皆んなも彼の帰りを待っている。
これで終わりじゃない、ここからが始まりだ。