第3章 選抜試験
『へっ!?なにアレ…』
目に映る光景があまりにも衝撃的で言葉を失っていた。
"ワッハハハハ!!も、もう合格でよくない?お笑い枠で"
通信機から聞こえるのは爆笑する彼の声。
まぁ彼がツボるのも分かる、ちょっと私も笑ってしまった。
何故なら…
「合体作戦だー!!!」
日比野さんを肩車し、猛スピードで走るのは市川くん。
まさしく合体作戦だ。
彼らの姿があまりにも滑稽で、自然と頬が緩んでしまう。
通信機からは小此木ちゃんが彼にツッコむ声が聞こえてくる。
彼女の声で私も気持ちを切り替える。
さて、四ノ宮さんはどうだろう…と思ったタイミングで…
グァァア!!!‥…ドサッ
"ほ、本獣撃破…最終審査終了!"
『あらら、もう終わっちゃったか』
"白雪、アナウンス通りや。はよ戻って来ぃや"
『了っ!』
早く戻ってこいと言う彼からの指示に返事をし、私は演習場を後にした。