第16章 約束
「ダメだ!先輩!」
レノの言葉に振り向く保科たち…
『ッ!日比野さん!!』
市川くんの言葉に日比野さんの事だとすぐ分かった。
まずい、ここで変身したら隠しようがない…!
「カフカ!?戻れ!お前が行ってもどうにも…」
『宗四郎!!日比野さんだめっ!!!』
日比野さんの後を追う宗四郎の後を私も追った。
でも日比野さんのスピードに追いつけるはずもなく…
『ッ!』
「あかん、エマ!」
グイッと宗四郎に腕を掴まれた。
きっと宗四郎も日比野さんの異変に気付いたのだ…
「んっ!ぐぁぁああ!!!」
8号に変身した日比野さんに息を飲んだ…
"基地中央部に超巨大怪獣反応!フォルティチュード9.8!この反応は…怪獣8号です!"
『ッ日比野さん…』
「ッ!カフカ…」
違和感は持っとった、それなのに…
いつの間にかアイツに惹かれて、その可能性から目を逸らしとった自分がおった…
ぐぁぁああー!!!
8号の咆哮が響き渡った…
8号に変身したカフカは渾身の拳で爆弾を上空に打ち上げたのだ。
そしてそのまま上空から落ちてくる8号…
「総員!その場に伏せてシールド全開!!」
『ッ日比野さん!!』
「あかん!エマ、伏せろ!!」
保科はエマに覆い被さりシールドを全開にした…