第16章 約束
「「えっ…塩ー!?」」
「はっ!?塩!?」
「朝食の焼き鮭に塩まぶしすぎてん、あんま塩分の取りすぎはようないってエマに言われたんやけど、僕めっちゃ塩辛いのんが好きでなぁ〜、そんでちょっと喧嘩してしもたんや。えっ?君らなんか勘違いしとったんか?」
悪い笑みを浮かべる保科に、中之島はやられたーと心の中で叫んだ。
そう、保科は中之島の存在に気付いていたのだ。
それで態とあんな言い方をしたのだった。
やけにホッとする中之島の顔を見て保科はご満悦…
一方自身の腕の中の愛しい彼女からは鋭い視線を感じた。
どないしたん?っと訊ねる保科にエマは…
『もう!あんな言い方しないでよ!』
ぷくっと頬を膨らませたエマ…
なんとも可愛らしい、怒っていても全く怖く無い。
ついつい保科は意地悪したくなるわけで…
「すまん、すまん。せやけど…"挿れすぎてる"のは確かにあってるやん?」
『ッ!///宗四郎の莫迦ー!!!』
耳元でいつもよりも低音で囁く保科…
それはいつも抱かれている時に聴く色っぽい声…
自然と頬が赤らみ、営みの光景が脳裏に蘇ってしまったエマは保科の腕から飛び出し、ミナの後ろへと隠れたのであった。
「はぁ…保科、腕立て100回。上官命令だ。」
「そ、そんなアホな〜」
和やかな雰囲気…
然しそれは一変するのであった…
がぉぉーーーー!
伐虎の鳴き声が基地内に響き渡ったのであった…