第16章 約束
「はよ、救護隊来い!!!エマ、頼む。僕を置いて逝かんでくれ!」
頼むからエマを連れて行かんでくれ!!
なんでもする、彼女の代わりに僕が死んでもかまへん。
せやからエマを助けてくれや!!!
「目開けてくれや、頼むわ。エマ…エマっー!!!」
『…そ、しろ…』
保科の願いは神に通じた…
目を開くエマはしっかりと保科の姿を捉えていた。
「エマ!!!すまんかった、僕が悪かった。」
『宗四郎…私もごめんね。言い過ぎちゃった…』
エマを抱き締める保科、その腕をぎゅっと握りしめるエマ…
「エマ…愛してんで」
『私も…愛してる』
重なり合う唇…
互いの存在を確かめ合うように2人は何度も唇を重ね合わせた。
隊員に囲まれているっていうことを完全に忘れて。
保科とエマの甘いキスシーンをお見舞いされた隊員たちは膝から崩れ落ち、先ほどまで流していた歓喜の涙は失恋の涙へと変わった。
そしてカフカはトレーニングルームでの保科との会話が頭の中でリピートされていた…
"彼女と喧嘩してしもたんや…"
「保科副隊長の彼女さんって…白雪補佐官だったってことー!?」
カフカの叫び声に近い声が立川基地に響き渡ったのであった…