第16章 約束
「エマっー!!!何処や!エマ!!!」
"白雪補佐官のバイタルが消失してます!!"
小此木ちゃんの言葉が何度も頭の中で繰り返されていた。
怪獣が隊長に射抜かれた時、僕の自身も巻き込まれかけたんや。
そん時、身体が突き飛ばされた気がした。
まさかエマが…?
最悪の結末が頭をよぎる…
怖い、めっちゃ怖い…
頼むから、無事でいてくれ…
ガォーーーと伐虎の鳴き声が響き渡った…
「ッ!!白雪!!!!」
「そ…んな…補佐官!!!」
目を見開く隊長、声を震わせた四ノ宮…
僕は慌てて2人の元に駆け寄った、そしてその光景を見て僕は絶望する…
「ハッ…エマっ!!!」
伐虎の反応してるのは瓦礫の山の小さな隙間…
その隙間から出ているのは力の入ってない手…
その手はすぐエマのやと分かった。
何故なら、すぐ側に彼女の専用武器が落ちてたからや。
「エマ!!すぐ出したるかるな!待ってろ!しっかりしろ!!」
一心不乱に瓦礫を掻き分けた…
「ハッ…エマさん!しっかり!!!」
「そんな…エマ!エマ!!」
斑鳩や中之島…他の隊員達も必死にエマを救出しようと瓦礫を退かす。
そして漸く…
「エマ!しっかりしろ!エマっ!!!」