第3章 選抜試験
『やっぱり凄い…。これならあっという間に彼女に抜かされちゃう』
四ノ宮さんの圧倒的な力に息を呑んだ。
周りも彼女を中心として動き始める。
やはり今年の受験生達はレベルが違う、四ノ宮さんは勿論だけど出雲くんや神楽木くん、古橋くんもなかなかだ。
『ッ!なかなか彼らも面白いじゃない』
日比野さんと市川くんが動き出したのだ。
戦闘力の低い彼らではあるものの、アタッカー達の援護をしているようだ。
確かあの二人は…解体作業をしていたはず。
だからか、怪獣たちの急所を言い当てたのは…
そう、今回の試験は討伐する数ではない。
能力や状況に合わせてどう行動するのかを見ているのだ。
強いだけが正義ではない、正しい判断ができるかどうかなのだ。
『宗四郎、気に入りそうね。彼のこと…』
一方…
「ほお、あのおっさんなかなかやるやん!」
戦闘能力0やからすぐにアウトかと思ったけど、なかなか面白い。
日比野カフカ…解体業をしてるんか。
「なるほどなぁ、ちゅうことはここの怪獣の弱点は全てお見通しって訳やな。わざわざ白雪が行かんでもよかったやん」
なんやエマがわざわざ演習場に行かんでも良かったやんか。
イチャイチャできんでも、隣におるだけでええ。
エマとは1分、1秒でも一緒に居たいんや。
早よ終わったら、ワンチャン今日はエマと一緒に夜を過ごせるかもしれやんなぁなんて呑気なことを考えていると…
「エリアデルタ2032番負傷バイタルに異常発生、戦闘不可能!」
「白雪、確認できるか?こっちは遠隔シールドの用意はできとる」
"2032番確認…ッ!シールド少し待ってください!!"