第15章 雨の日《過去編》
だから…
『お言葉は凄く嬉しいのですが、私強くなりたいんです。専用武器の威力を上げるためには彼の部隊で学ぶべきだと思うので』
丁重にお断りした。
「そうか…お前は刃の扱いが上手いからちょうどいいと思ったんだがな」
『刃の扱い…ですか?』
「ああ、私は刃物が全くダメだろ?これからは小型の怪獣も増えるかもしれないからな…お前のように銃器も刃も扱える奴を探しててな」
亜白隊長の言葉ですぐにある人物の顔が思い浮かんだ。
保科くんだった。
保科くんはなかなか前線では戦わせてもらえずにいると悩んでいた。
勿体無い、彼の実力は本物なのに。
銃器の戦力が弱いというだけで戦えないと勝手に決めつける周り…
私はそれが凄く嫌だった…