第15章 雨の日《過去編》
ミナの言葉にエマは目を見開いた。
エマは大丈夫だと言ったが、本音は辛くて堪らなかった。
彼氏である鳴海にも相談したが…
「そんな雑魚どもの言葉耳に入れなければ良いだけだ」
っと素っ気ない言葉だった。
鳴海が自分以外の女と遊んでいることも知っていた。
でも私は何も言えなかった。
きっと私が彼の理想の女性じゃないからだ…
鳴海隊長の不器用だけどまっすぐなところが好きになった。
"僕の隣で戦ってくれ、好きだ"
そう何度も告白をされた、いつしかそんな彼に心惹かれていった。
然し、付き合ったものの彼との距離は少しずつ離れていきつつある…
自分がもっと強くなれば彼も自分だけを見てくれる…
自分が耐えれば嫌がらせもいつか終わる…そう思っていたものの限界は近かった。
そんな時…
「そんなんお前がべっぴんさんやから妬んでるだけや!めっちゃ腹立つ!僕がそっちにおったら切り刻んでるとこや!」
『ふふ、保科くん面白いね。ちょっと元気出た、ありがとう』
久しぶりに保科くんから電話がかかってきたと思えば大丈夫なんか!?から始まり、今では何故か保科くんが怒ってる。
保科くんのおかげで少し元気が出た。
私にとって保科くんは太陽だ、私を元気にしてくれるから…
だけどやっぱり数日経てば心は元に戻ってしまうわけで…
亜白隊長からも心配されてしまった。
大丈夫だと笑顔で答えると…
「私の部隊に来ないか?」
まさかの言葉だった。
嬉しかった、この辛い毎日から逃げ出せる…
だけど私は強くならなければならない、その為には鳴海隊長の下ではないといけない…
何故なら私の専用武器は…
彼と"同じモノ"だから。
なんとか使いこなせつつあるものの、やはり威力が足りない。
日々の特訓と彼の動きを見て学んでいるものの、戦力が85%からなかなか上がらないのだ。