第14章 立川基地襲撃
----数年前
「保科宗四郎…刀の達人(スペシャリスト)か。面白いな…」
ミナの手元には保科の経歴が細かくかかれた資料が握られていた。
そしてその資料を作成した自分に目を向けたのであった。
『彼は銃器の戦闘力は低いですが、刀では防衛隊の中で彼の右に出る者はいないです。第三部隊は銃器を扱う者が殆ど、亜白隊長が仰ってたようにここ最近小型の怪獣の報告も聞きますので…』
「成程、確かに私は全く刃物はダメだ。動きが早い小型は厄介ではあるしな。然し、保科は今関西ではないか?」
ミナの言葉にエマは待ってましたと言わんばかりに…
『来月行う第3部隊との剣道の交流試合…その打ち合わせで彼が明日、こちらへ来るようですよ』
「流石は白雪だな。それで何故、第一部隊の副隊長であるお前が彼を第3部隊へ推薦するんだ」
『彼が前線で戦うべき者だと思ったからです。そして亜白隊長であれば彼…保科くんの道を切り開いてくれると思ったからです。いつかは第3部隊を任せられるほどの人材になるはずです」
エマはまっすぐな瞳だった。
「保科の経歴であればお前のところの隊長も気に入りそうだが?」
『鳴海隊長と保科くんは…多分合わない気がするんです。なんとなく犬猿の仲になりそうな、そんな気が…』
「まぁ鳴海は負けず嫌いだしな、保科もそのタイプか?」
『そうですね…彼が第3部隊に相応しいかどうか亜白隊長の目で見てほしいんです』
「ああ、分かった。お前がそこまで言うなら会ってみよう」
『ッ!ありがとうございます!!』
ミナの言葉にエマの表情はパァッと明るくなった。
その事をミナは思い出したのであった。