第3章 選抜試験
「僕は今回二次試験の選考委員長を任されとる第3部隊副隊長の保科と此方が補佐官の…」
『白雪です』
まわりはおおーっと声が上がる。
「美しい…」
「実物見るの俺初めてだ」
「本物じゃん」
エマが現れれば分かりやすく黄色い歓声が上がる。
はぁ…、そやからエマを表に出したないんよな。
美しい彼女は何処でも注目される。
それが嫌でしゃーないんや。
エマのことを舐め回すように見渡す男どもにギロリと視線を送れば…
「「ひぃっ!」」
なんとも情けない声が上げる。
エマ目当てで受験するアホなやつがおるという噂はほんもんなんやろう。
そんな奴らは容赦なく落とす。
当たり前や、そんな理由で防衛隊に入れば即死ぬからや。
それに僕のエマやし。
隣からジトーっと視線を感じる。
彼女からの視線で読み取れるのは"早くしろ"だ。
やばっ、エマが怒っとる…
「ゴホン!適正審査はこちらの演習場でやってもらう」
『皆さんにはこの演習場で怪獣を•…』
「討伐してもらう」