第3章 選抜試験
『やっぱり今年の受験生はレベルが違うね』
「ですよね!東京討伐大学首席で卒業の人や、討伐高専首席の人、陸自の若手ホープ、そして…」
『現役長官の娘か…』
モニターに映る彼女はまだまだ幼さはあるが、母親によく似ている。
"キコルを厳しく育てようって決めたのに、可愛くて堪らないの!"
彼女の母、ヒカリさんからはよく彼女の話を聞いていた。
きっと彼女の成長を見るのを心待ちにしていたに違いない…
やはりヒカリさんの娘さんだ。
筆記試験も運動神経もピカイチ、周りも彼女の実力に圧倒される者もいれば、逆に燃えている者もいた。
最終試験が楽しみだ。
それともう一人私は気になった人がいた。
それは…
『…日比野カフカ…』
最年長の受験者だ。
何故か彼が目に止まったのだ、理由は分からない。
特に成績が良い訳でもない彼、でも何故か彼に惹きつけられたのだ…
「ほな白雪、いこか」
『ッ!はい』
彼に呼ばれ私はオペレーションルームを後にした。
"日比野カフカ"目に止まったのは、たまたまではなかった。
それはこの後の出来事で判明するのであった。