第13章 慰労会
「日比野カフカ。本日、本時刻をもって候補生改め正式に防衛隊員に任ずる」
「全身全霊で戦うことを宣誓します。…そ、それではし、失礼します!」
隊長の執務室で静かに行われた日比野さんの任命式。
ガチガチに緊張した日比野さんについ頬が緩んでしまう。
漸く隊員になれた日比野さん…
然し、まだ彼が8号に変身する事実を周りに知られる訳にはいかない。
私も色々と情報を探しているものの、なかなか見つからない。
私の中では9号が鍵ではないかと思っている。
日々の訓練や、防衛隊のスーツ、日比野さんの助けがあったから彼らは命を落とさなかったものの、一般市民であれば確実に命を落としているであろう…
そんな危険な9号を野放しにはできない。
そのような事も含めて今日は隊長と本部へ行かなくてはならないのだ。
執務室から出ようとする日比野さんに隊長は浮かれるなよっと声をかけた。
その言葉に立ち止まり振り向く日比野さん。
「私の隣で戦うにはまだまだ程遠いぞ」
「ああ、見てろよ。ミナ!」
『あっ…ふふっ』
「上官呼び捨て罪だ。腕立て50回やってから行け」
「うわー!またやっちまった!!」
日比野さんからは見えないけど、私にはしっかりと見えている。
隊長が少し微笑んでいる…
隊長をこんな顔にさせれるのは日比野さんくらいだと思う。
ちょっとレアな隊長を見れてラッキーだ。