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キミの隣【保科宗四郎】

第13章 慰労会


「やっぱり君はなかなか一本取らせてくれやんな」

『はぁ、はぁ…随分余裕そうに見えますが?』

再び刀が交わる音がトレーニングルームに響き渡る…

その光景を目の当たりにしている斑鳩は息を呑む。

あの刀の達人(スペシャリスト)の保科と互角でエマが戦っているのだから…

自分は全く歯が立たない相手だったが故に、驚きを隠せなかった。

実は斑鳩はエマの刀の実力を知らなかったのだ。

それもその筈、エマは第3部隊に来てから刀に触れていなかったのだから…

初めて見るエマの刀捌きに斑鳩は改めてエマの実力に圧倒されたのであった。

そして二人の戦いは漸く終わりを迎えた…

「ふぅ…やーっと一本取れた」

『やっぱり副隊長には敵いません、流石です』

結果は勿論、保科の勝利。

然し、保科相手にここまでやり合える相手はエマともう1人しかいない…

「エマさん!!す、凄かったです!!!」

『そ、そう?ありがとう』

「斑鳩、エマはな元々は刀(こっち)の方が強いんやで?」

エマの肩に腕を回しながら話す保科はどこか誇らしげだった。

その表情は上司…ではなく恋人だ。

「ま、まじですか…(くっそー、羨ましすぎる!!!)」

「まぁ相手してもらったらよぅ分かるわ、いけるか?エマ」

「えっ!?いや、でも…」

斑鳩は保科の言葉に驚いた。

何故ならエマは先ほどまで保科とやり合っていたのだ。

流石にもう少し休憩をさせてからの方がいいと思ったのだが…

『はい、大丈夫です』

「ぇえ!?」

エマは保科の言葉に頷いたのだ。

少しだけ手加減しよう…

然し、その判断が大間違えであったことに斑鳩はまだ気付いていないのであった…


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