第12章 秘密ファイル
「カフカ…その調子や!」
「「は?」」
「皆んなもその調子でええ、なぁ?市川…」
「ッ!は、はい!!!!」
保科はどうやらレノだけが自身の話の内容を理解したことに気付いたようだ。
レノに見えない圧をかければ分かりやすく怯えるレノ、そして満足そうな笑みを浮かべる保科の様子に他の隊員たちは再び首を傾げるのであった。
全員が退出した資料室で保科は1人スマホを眺めていた。
スマホの画面に映し出されているのはこの前のメイド服姿のエマ…それは小此木から先ほど送られてきたものだ。
可愛らしい彼女の写真を拝んでいると…
「ん?…ッ!小此木ちゃん…やるやん」
最後の1枚だけはメイド服の彼女ではなかった。
保科のスマホに映し出されているのは、いつかの新人たちを眺めて話をしている自身とエマの後ろ姿だった。
ただの後ろ姿…
それでも二人の横顔はとても嬉しそうな表情だった。
「これやったらスマホの待ち受けにしても怒られへんな」
そう呟き早速画像を待ち受けに設定した保科はとても嬉しそうだった。
それを陰から覗いていたミナはこっそりと写真を撮ったのであった。
「ふっ、エマに送ってやるか…。いつもの"秘密ファイル"に…」