第12章 秘密ファイル
「ん?あれ、おっさんらも呼び出されたのか?」
「ってことは伊春もか?」
資料室にはカフカ、レノ、キコル、伊春、ハルイチ、葵の6人が集められていた。
彼らが共通してることは全員保科に呼び出されたということだ。
何故呼び出されたのか分からない6人の前に漸く保科が現れた。
「すまんのぉ、急に呼び出して」
「あの何故私たちがここに呼び出されたんですか?」
何故この6人なのか…キコルは質問をした。
それはここにいる全員が気になっていたこと…
キコルの質問に保科はくいっと口角を上げ口を開いた…
「この前、君らが見たことを全て忘れて欲しいんや!」
「「はっ?」」
予想外の言葉に全員がぽかんとした。
「副隊長、俺らが見たことってなんですか?」
保科が何を言っているのか分からないカフカは再び質問をすると、白雪や…と保科は答えた。
いつも通りのテンションではあるものの、ほんの少しだけ声が低くなる保科…
その微かな変化に気付いたのはレノだけだった。
そしてある噂を思い出したのだ…
"保科副隊長と白雪補佐官は付き合ってるらしい"
っという根も葉もない噂を…
勿論、保科がエマに思いを寄せているのは見てわかる。
然し、エマの保科に対する態度がかなりドライであり付き合っているとは誰も思わなかったのだ。
ただの噂だと思っていたレノだが、この保科の様子に噂ではないと確信をした。
然し、周りの人間は頭に?を浮かべている。
「白雪補佐官…?なんかありましたっけ?」
「ッ!先輩っ!!」
訳のわからないカフカは保科に再び質問をするも、レノが慌てて止める。
何故なら保科の纏う空気に僅かにだが、怒気が漂っているのを感じとったからだ…