第12章 秘密ファイル
去年の10月31日。
立川基地では、隊員募集を兼ねてイベントが行われた。
隊員不足やったこともあり、上からはエマにコスプレさせるのはどうやと隊長は提案されたそうや。
『えっ…。これを着るんですか…?』
「すまない。ただ、これを着ているお前の姿を上に見せれば阻止できるはずだ。だから悪いが一度着てくれないか?」
そう、隊長は上からの提案を断るつもりやった。
エマのコスプレ姿なんか世に出せば、防衛隊に応募する数は増えてもエマ目当ての奴らばっかりになるからや。
せやけど、頭の硬い上の人間は断れば何故だと五月蝿いから敢えてエマのコスプレした姿を見せて黙らせる作戦を隊長は考えたらしい。
その作戦は見事成功、四ノ宮長官直々に今後エマにコスプレさせることを禁ずるという命が出たんだとか…
「そういうことで一度エマにコスプレをさせたということだ」
「「なるほど!」」
「ほんで小此木ちゃんがこの写真を持ってたちゅーわけやな」
「へへっ、こんな白雪補佐官のお姿は二度と見れないと思いまして…秘密ファイルに入れていたんですがバレてしまいました…保科副隊長…」
「ん?なんや…なっ!ほんまか!?」
エマとの関係を知ってる小此木は保科にそっと耳打ちをした。
保科の問いに小此木は頷いた。
「お約束しますので、どうかこの事は補佐官には内緒でお願いします!」
「し、しゃーないな…今回だけやで?」
「はい!ありがとうございます!」
保科と小此木のやり取りの様子を見ていたミナは小さくため息をつき、カフカたちは頭に?マークを浮かべたのであった。