第2章 2
◇
「……え…?」
どういうことだろう…。
私はyasuさんを見た。
yasuさんは、真っ直ぐに私の目を見ている。
───そらせない。
「事務所とか、仕事とか、迷惑とか、そういうのを全部考えんで、彩夏は俺らと一緒にいて、どうやった?」
私…?私は…………
「彩夏の、ホンマの気持ちを聞きたいんや」
「私は………」
「………俺は……彩夏には、出来たら辞めて欲しくないねんけど」
──私の中で、何かが溢れてきた。
そしてそれは熱く熱を帯びて、言葉として、涙として、内から外へと溢れた。
◆
「…っ…!!私は…辞めたく…ない…です…っ!!マネージャーとして…皆さんのお手伝いが出来なくて…迷惑をかけてるって分かってます…っ。でも………」
叫ぶように彩夏が言う。
涙を、いくつも落としながら………。
目を真っ赤にさせ、彩夏が俺の目を見た。
「私は……一緒に…いたいです…」
ぽたぽたと零れ落ちる涙。
───俺は腕を伸ばした。
「……泣くな?」