• テキストサイズ

anxiety

第2章 2



ちょっと困った様子の彩夏に、あはははと大きな声を出して笑うと、俺は姿勢を整えた。

「さて、そろそろ行くか」

「あ、はい。…お気をつけて」

「おう。彩夏、今度はスタジオか事務所で会おうな。待っとるから」

彩夏の顔に、明るい笑みが浮かぶ。
そしてそのまま、彩夏は頷いた。
笑顔の彩夏に手を上げて挨拶をしてから、俺はアクセルを踏み込んだ。

───朝日が昇る方へ、これからまた3時間のドライブや。
でも不思議やなぁ、胸が晴れ晴れとしとる。
………早くメンバーにも伝えなアカンな、彩夏のホンマの気持ち。

『私は……一緒に…いたいです…』



遠ざかるyasuさんの車を見送って、やりかけだったいろいろなことをやらなきゃ、と部屋に入ろうとした時、ポケットのケータイが鳴った。

「ん?坂本さんからだ」

同僚の坂本さんからのメール。
私は午前だけ休みがもらえたけど、坂本さんは仕事中だろう。
短い本文を読んで、私は大きくガッツポーズをした。



『鈴木くん、退院決まったって!!!!』



数ヶ月、仕事が回ってきていた同僚の退院が決まった。
……つまり、私はまたマネージャー業を再開出来るのだ。

───大きく伸びをして、晴れ晴れとした気持ちで見上げた空は、高く青く澄んでいた。
/ 21ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp