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anxiety

第2章 2



ちょっと訊きづらくて、俺は彩夏から目をそらして話をしとった。

「ほら、あの、最近彩夏も忙しいやろ?もし…俺らのマネージャーでいることが負担なら、無理せんで辞めても……ええんやで?多分西條か事務所が、後釜を補充してくれる…はずやし。………せやから…っ」

一息にそう言ってから見た彩夏は、俺を見ながら涙をいくつもポロポロと落としとった。

「彩夏……??」

「…………っ」

唇を噛み締めて、溢れる涙を拭おうともせず、彩夏は涙を流しとった。

「あ、す、すみません」

俺と目が合って、彩夏は慌ててティッシュに手を伸ばし、やっと涙を拭った。



どうしよう……yasuさんが、ビックリしてる。
でも、涙が止まらない……。

「…すみません、突然……」

ハッと我に返って、慌てて目の前のティッシュを掴んで2・3枚引き出し、目と頬に当てる。
……きっとマスカラが落ちて、ぐしゃぐしゃになってるだろうな……顔。
私はしゃくりあがってくる呼吸を、深く静かに息をすることで整えながら、考えていた。

「それはつまり……私にマネージャーを辞めてほしいっていう……ことですか……?」

ガタガタの本心を必死に隠し、詰まりながら言った言葉に、yasuさんが私を見る。
そして、目をそらす。

「良いですよ。……マネージャー……辞めても」



俺は目を見開き、彩夏を見た。
彩夏は眉間にシワを寄せてテーブルを見つめ、唇を噛み締めていた。

「……何が、アシマネですかね。まともに仕事も出来てないのに…。迷惑ばっかりかけて…忙しいのに、何も手伝えなくて…」

小さく呟く彩夏。

「…辞めます、マネージャー。これ以上中途半端に続けていても、皆さんに迷惑かけるだけですもんね」

そう言って笑った彩夏。
───その笑顔は……俺が見たかった笑顔やない。

「今日はわざわざ、この話をするために来てくださったんですよね、ありがとうございます………すみませんでした」

深く頭を下げる。
しばらく頭を下げて、スッと上げた顔にはやはり笑みが無い。
──違う、俺は……。

「……本気、か…?」

俺が掠れた声で問うと、彩夏はビクリと体を震わせた。
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