• テキストサイズ

anxiety

第2章 2



もしや…とは思っとったけど、まさか本当に……

「…ポ、ポチ…っっ」

「もう!!笑わないって言ったじゃないですか!!」

二人とも顔が真っ赤や。
俺は笑いが止まらず息が出来なくて、彩夏は恥ずかしさと怒りで。

「言うんじゃなかった」

「悪い!!俺が悪かった!!」

機嫌を損ねて、ふいとそっぽを向いた彩夏に、俺はまだ少しだけ笑いながら手を合わせて頭を下げた。

───こんな、くだらない話がずっとしたかった。


父が『覚えやすいから』とつけた名前。
別に、雑種とか日本犬だったらまだ良い。
でも愛犬は………ゴールデンレトリバー……もっとカッコいい名前をつけてあげたかった……。

「そういえば、yasuさんもイヌを飼ってますよね」

「ん?あぁ、飼っとるで」

「名前は…」

「『親方』。」

紅茶を飲みながら、当たり前の様にyasuさんが言う。

「……ウチの『ポチ』よりも可哀想じゃないですか?」

「良いんや。本人が一番喜んどる」

それから『親方』がどれだけ可愛いか、つらつらと語られた。
……愛されてる…といえば良いのかもしれないけど、愛され過ぎててちょっと『親方』が可哀想になったのは、私だけの秘密。
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp