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anxiety

第2章 2



「どうですか?」

目をキラキラと輝かせながら、彩夏が俺に訊く。
……この期待を裏切って良いものか。
どんな反応を返そうかしばし悩んだが、

「やっぱ不味い」

俺は紅茶に手を伸ばした。
えー、と彩夏が口を尖らせる。
そんな彩夏に俺は、

「ま、彩夏と一緒やから食えるけどな」

と笑って答えた。
……これも、本音。
彩夏も俺につられる様に笑った。

──そう、こんな笑顔をずっと見たかったんや。



ケーキを食べながら、紅茶を飲みながら、私は久し振りにyasuさんとたくさん話をした。
──yasuさんが最近ハマっているマンガのこと。
──私が最近食べた美味しい物のこと(「kiyoに似てきたな」って笑われた)。
──yasuさんがよく聴く音楽のこと。
──私の実家のネコのこと。

「え?彩夏ってネコ飼ってたん?」

「実家で…。私が…っていうよりも、祖母が、でしたけど」

「へぇ~そうなんや~」

意外だ、とでもいう様にyasuさんが目を大きく開いて首を傾げる。

「あ、ネコの他にイヌも飼ってますよ」

「お、イヌ!!名前は?」

私は言うのを躊躇った。

「……笑わないで下さいよ?」

「笑わんって(笑)」

……もう笑ってるじゃないですか!!

「……………『ポチ』。」

「あっはっはっはっ!!!!」

言った瞬間、yasuさんは大爆笑した。
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