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anxiety

第2章 2



冷蔵庫の前にしゃがんだまま、彩夏が訊き返した。
俺はコンビニのケーキの透明な蓋を外し、白いケーキ皿の上にケーキを置き、ケーキの周りのフィルムを取る。

「ほら、よく言うやろ。『不味い物でも皆で食えば美味い』って♪」

「………」

彩夏はきょとんとしとる。
俺は傍らにあったフォークを皿に載せ、ティーカップが載っていた丸い盆に置き、冷蔵庫の前にしゃがんだままの彩夏を促した。

「ほら、食うで」



「「いっただっきま~す♪」」

二人でテーブルにつき、手を合わせて食前の挨拶をする。
yasuさんは『コンビニのケーキなんて不味い』って暗喩してたけど(『暗喩』じゃないか。あからさまに言ってたな)、ケーキはケーキ、食べられることが素直に嬉しい。
それに……うん、一人じゃないから。
ケーキにフォークを刺し、一口分の大きさにすくい取る。
そしてそのまま口に運び、ゆっくり味わう。
……甘い生クリーム、少し酸っぱいイチゴ、ちょっと水分が染みたスポンジ。

「ん~美味しい♪」

「そうかぁ~?」

yasuさんは、信じられない、という様に眉間にシワを寄せて私を見ている。
それから私と同じ様に一口大にケーキをすくい、口に運ぶ。

「………」
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