第2章 2
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「え?」
彩夏が首を傾げる。
気にせず俺は彩夏からコンビニのケーキを取り上げると、反対に今開けたばかりの、美味いケーキの箱の蓋を閉めて彩夏に渡した。
「こっちを冷蔵庫に入れとき」
「え、ちょっ、yasuさん!!」
彩夏が戸惑いながら声をあげる。
「折角yasuさんが買ってきてくださった美味しいケーキなんですよ?こっちを食べましょうよ」
「んじゃあ、こっちの…コンビニのケーキはどうするん?」
「それは…だから…明日、紅茶を飲みながら食べます」
「一人で、か?」
「はい」
当然、という様に彩夏が頷く。
それを観て、俺はため息をつき、首を横に振った。
◇
「あかん。尚更、今食べないけん気になった」
「え、何でですか」
yasuさんの言っている意味がよく分からない。
食べるなら美味しいケーキ…しかもyasuさんがわざわざ買ってきてくださったケーキを食べた方が良いはずなのに………。
「そっちのケーキは、舌も肥えとるkiyoも認める美味さのケーキや」
「はぁ…(舌『も』って…)」
「こっちは…どうせ2つで300円位やろ?そんなん、不味いに決まっとるやん」
「はぁ…(値段当たってる!!)」
「そんな不味いケーキ……彩夏一人で食わせたない」
「はぁ……って、え!?」