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anxiety

第2章 2



彩夏が戸棚を開けて何か探し始めたのを見て、俺は邪魔にならんようにキッチンから立ち去ろうとした。
その時にふと、玄関の鍵が閉まっとるか気になり、そんなに長くない廊下(失礼か(笑))を歩いて、玄関に向かった。
すると…

「ん?」

玄関の棚の上に、コンビニの袋が置かれているのを見つけた。
──そういや彩夏のやつ、さっき何か持ってたな。
俺は玄関の鍵がかかっとることを確認してから、コンビニの袋の中を覗き込み、声をあげた。
そして慌ててキッチンに戻り、袋を彩夏に見せて訊く。

「彩夏、これ、どうしたんや?」

嬉々としてケーキを皿に載せようとしとった彩夏が、体の動きを止める。



不思議そうな顔で、コンビニの袋を掲げるyasuさん。
一瞬、心当たりが無くて考えてしまったけど、ハッと思い出した。

「中身、ケーキですよね!?」

数十分前にコンビニでウキウキしながらケーキを買ったのを、すっかり忘れていた。
私は苦笑しながらyasuさんから袋を受け取る。

「どこにありました?」

「そこの、玄関の棚の上にあったで」

「あ~、部屋の前にyasuさんがいたからビックリしてパニックになって、棚に置いてそのまま忘れたんですね、きっと」

中身を確認して袋から出し、冷蔵庫に入れようとした時。

「彩夏、それ、どうするん?」

「え?また明日食べようと思って…」

yasuさんが驚いたように目を丸くした。

「あかん。今食うで」
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