第2章 薔薇は赤く、美しく
side ユイ
わたし、ユイ!気がついたら、周りがイケメンだらけの変なところにいて……!
普通なら怖がるところだけど、わたし知ってるの!こういうの、転生とかトリップとかってやつ!しかも、なんだかわたしだけ特別?みたい!一緒にいるユウ君も特別みたいだけど、あれでしょ?おんなじ境遇同士仲良くしようね、って奴でしょ!そしたらいきなり、またもイケメン!しかも火の中に立ってて、たしか大悪魔とか言ってた!わかっちゃったよ、そういう系のやつでしょ!きっと周囲のイケメンたちもみーんなユイのこと好きになっちゃうシナリオね!だって、イケメンの中の紅一点!確定演出!
それで、きっとあのすごい大悪魔ってシルヴァ君が帰すこともできるけどユイのこと離したくないからって帰してくれないんでしょ!
って、昨日までちょー妄想してるんるんだったんだけどぉ……
朝仲良くなった、エース君……その表情を向ける相手は、その反応を見せる相手は、わたしじゃないの?なんで?なんで、男のシルヴァ君にそんな顔見せるの?
「なに、あれ……」
わたしが、ヒロインのシナリオなのに。
なんで、男なのに……
ううん、偶然かも。もしかしたらシルヴァ君はそういうキャラなのかもしれない。なんだろう、例えば……
承認欲求強い系のイケメンで、最初はみんなから愛されてて……でもみんながユイを好きになっていって、嫌がらせしちゃう……とか?ううんだめ、それじゃあシルヴァ君が追い出されちゃう……シルヴァ君とも仲良くしたいもの!そうだ、きっとそこでわたしが庇ってあげてシルヴァ君も込みの逆ハールートとか?そうだ、きっとそう!
きっとそうだよ!じゃあ、シルヴァ君は最初はみんなから愛されてなきゃ。もしそうだったら、わたしってば名推理!さっすが!
きっとこういうのはあれね、ピンチのときにわたしが助けてあげるんだ。そうじゃなきゃ、すでに愛されてる人になんか、勝てるわけないんだから……
心配は無用だよ、ユイ!わたしはこのシナリオのヒロインなんだから!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
シルヴァはメス……