第2章 薔薇は赤く、美しく
初日。特別に用意された学園長室近くの寮から教室へ向かう。たしか、ここだったはず。
「あれぇ?シルヴァ君っ!」
「あっ、シルヴァさん」
向かいから例の人間二人と謎のモンスター、そしてオレンジ…?髪の人間が来る。
「えっ、シルヴァ!?」
「ふなっ!?コイツ、入学式のときの奴なんだゾ!」
『入学式の……ときの……??』
あー……こんなモンスターもいた、ような?
「えっ、マジで……?シルヴァ……?」
オレンジ髪のハートの人間が来る。なんだ私は有名悪魔か?
『どうも。確かに私はシルヴァだが』
「えっ待って……ウッソ、分かんねぇ?」
ん?なにが?
「入学式のとき、大悪魔って言って……絶対そうだと思ったのに……」
『んん?話が見えないな。あー、君は?』
名前を尋ねるとものすごくショックを受けた顔をされた。そんなに?申し訳ないが私は君は分からないが……
「オレ、エース・トラッポラ……ほんとに、覚えてねーの……?」
んん?エース?どっかで聞いたことが……
「鏡越しに……仲良くしてたのに……」
『ああぁぁぁーデジャヴですねぇ』
「?」
『鏡越しの接触しすぎて、いちいち覚えてらんないんだよ。まあ言われれば見たことある気もするけど……』
「…………そっか……」
まあ、別に過去知ってようが知るまいがどうせ同じ生徒なんだし、追々知っていけばいいでしょ……
『……そろそろ、時間なんじゃないか。遅れるぞ』
「あっ!待っ……!」
背後に、困惑と怒りを感じながら教室へと入った。
「は……??なに、あれ…………」